正しい評価と適切な処分とは何だろうか(花咲か爺さん版)

むかし、黒川商事・営業2部に、正直者の営業担当者と事務担当者がいました。ある日、隣の営業1部の欲張り次長と欲張り課長に虐められた犬(比喩的に)が営業2部に逃げ込んできました(異動)。シロと名付けて可愛がりました。

 

ある日、シロが新規開拓先で「ここほれワンワン」と吠えました。正直者の営業担当者と事務担当者がそこを掘ると、小判がざっくざっく出てきました。

 

この話を聞いた欲張り次長と欲張り課長は、シロを連れ出し「開拓先はどこじゃ。お前いつまでに幾ら売り上げるんじゃ。え?お前自分で言ったよな?自分で言ったからには絶対やれよな?」と無理矢理に目標を鳴かせましたが、その開拓先から出てきたのはヘビやカエル(比喩的に)などでした。怒った欲張り次長と欲張り課長は、シロを(社会的に)抹殺してしまいました。

 

優しく正直者の営業担当者と事務担当者は、シロの退職届の墓を建て、苗木を植えました。苗木はどんどん伸びて大きな木になりました。営業担当者と事務担当者はこの木で新規事業としてエコビジネスを立ち上げ、苗木販売と空気清浄機開発に取組むと、その苗木がバカ売れし、空気清浄機開発のノウハウがまさかのクリーンエネルギー開発に活かせると評判になり投資が外部から殺到、新規事業部はみるみる金のなる木となりました。

 

欲張り次長と欲張り課長は、人事規定集から退職届をコピーし、アス●ルで買ったオフィス用観葉植物の鉢に埋め、水をやり、毎朝毎晩激詰めしたところ、観葉植物は鬱になってしまいました。怒った欲張り次長と欲張り課長は、「こういう木はどこ行っても通用しない」と言って全て燃やしてしまいました。

 

優しく正直者の営業担当者は、残った灰を集めて新規事業部に持ち帰り、成分の分析と実験を繰り返しました。そのとき外線電話がかかってき、電話に出ると、ヘッドハンターでした。営業担当者と事務担当者を、部課長待遇で優良企業に引き抜きたいとのことでした。

 

これをたまったま知ってしまった社長は、二人を社長室に招きこれまでの功績をたたえ、評価が遅れてしまったことを詫びながら二人を部課長に特別昇進させ、欲張り次長と欲張り課長を平社員であるスタッフ職に降格させました。ちなみにスタッフ職は階層として5段階に分かれており(S1〜S3、SS1〜2)、このうち下級スタッフ職にあたるSS2(新卒社員と同等)に認定されました。あと始末書とシロへの謝罪文も書かされました。

 

正直者の営業担当者(現・部長)と事務担当者(現・課長)は、素早く新事業の中長期計画をまとめると共に、社員の適材適所と能力活用について意見書をまとめ、社長に手渡しました。社長は大喜びし、実施を堅く約束しました。

 

めでたしめでたし。

 

参考:花さかじいさん

http://www1.bbiq.jp/hotarujaya/022hanasi/99nihon_mukasi/nihonmukasi_f.htm